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アダルトチルドレンの中核信念にはある傾向があります

アダルトチルドレンの中核信念にはある傾向があります


アダルトチルドレンの中核信念にはある傾向があります
アダルトチルドレンの方には中核信念に、ある傾向があります。
それは機能不全家族に傾向がある様に、経験にも傾向が出ると考えると偏りが出る事は必然です。

中核信念とは

中核信念とは、その人の思考や捉え方の元になる概念の事で「スキーマ」とも言われています。
認知療法で使われる認知モデルというものがあるのですが、その最下層のものです。
上位の層には「媒介信念(ルールや構え)」→「自動思考(自動的に浮かぶイメージ)」と上がっていきます。
例えば、好意を持っている人から褒められたとしましょう。
自動思考→「この人に褒めてもらえるなんて嬉しい」
媒介信念→「褒めてもらえているという事は好意や敬意がある」
中核信念→「元々、私は好かれない。敬意を払ってもらえない」
という段階的な情報のやり取りがあります。
人は、表層的な感情や思考は意識する事が出来るのですが、普段は中核信念の事まで考えてはいません。
中核信念は子供の頃からの経験で無意識的に身に付いた概念だからです。
『無意識的なものに従って、思考や感情が出て来ている』というのが認知モデルの考え方です。
そして、アダルトチルドレンの方には、ある中核信念の傾向が見られます。
認知モデル
出典:自分で出来る認知行動療法

アダルトチルドレンの中核信念傾向

では、アダルトチルドレンになる様な機能不全家族の中で育った場合、どのような中核信念を身に付けてしまうかを考えてみましょう。

愛情が受けられなかった場合

愛情がなかった、または愛情が希薄だった場合、子供が自分の存在に疑問を持ってしまうことがあります。
また、愛情が受けられないことが当たり前になってしまい、愛情を正しく認知できない傾向も持ってしまいます。
本来、子供は親の愛情を受けて成長します。
愛情によって、自分の存在に価値や居場所を見つけ、精神的安定を得られます。
その安定があることによって、成長と共に自分で価値や居場所を見つけられるようになっていきます。
最初から精神的安定が脅かされていると、それが警戒心となり、いつも不安を抱くような概念を持ってしまいます。
これは、「自分は愛されるべきではない」「もし何かをすれば愛してくれるのではないか」「愛されない自分には価値が無い」等の中核信念を持つ原因となります。 アダルトチルドレンの場合は、いつもどこかで不安や不満があるという事がありますが、機能不全家族の愛情不足がこの中核信念の元になっていると考えられます。

虐待があった場合

虐待があった場合は、愛情が無い機能不全家族よりも深刻な中核信念を持つ事があります。
虐待があると、子供はどうして良いか分からない状態になります。
本来、愛してくれる存在の相手から、その反対の行為をされるのですから、幼い子供は身を守る手段が分からないのも仕方がありません。
そして、虐待が続くと精神的回避をするようになって行きます。
「自分は存在してはいけない」「他人は自分を助けてくれない」「自分は生きているだけで迷惑をかける」という概念を持ってしまいます。
これが中核信念となり、アダルトチルドレンの生き辛さに繋がっていきます。
他のケースもそうですが、虐待がある場合は特に中核信念が脳に刻まれると考えられます。
身体的記憶と精神的記憶が強くリンクし、概念をより強いものにするためです。
アダルトチルドレンのいつもビクビクしていたり、人間関係が怖いというような状態の原因になって行きます。

過保護・過干渉だった場合

過保護・過干渉があった場合は、愛情への歪んだ概念を持ってしまうことがあります。
過保護・過干渉の場合、親が犠牲になっても愛情を注いだり、条件付きの愛情を注がれたりします。
子供は無償の愛情を受け、成長と共に愛情を返したくなるというものが正常の愛情です。
ですが、過度に恩を返さなければならないと考えたり、愛情を注ぐことによって見返りがあることが当たり前という考えになってしまうケースが過保護・過干渉の場合はあります。
また、過保護で苦難に立ち向かう事が少ない場合、人を疑う事を知らず警戒することが出来ないケースも出てきます。 これらは、「自分に愛情を注がない者に価値はない」「愛情は等価交換」「この世に悪人はいない」という様な概念を持ってしまう原因となります。
特に、愛情に対して歪んだ感覚は、人間関係の構築に弊害を起こすことが多くなります。

この様に機能不全家族で育った場合、その経験が原因で歪んだ中核信念を持つ傾向が多くなります。
自動思考や媒介信念はある程度変える事は可能だというのが通説ですが、中核信念を変える事は難しいと言われています。
ですが、絶対に変えられないという事ではありません。
アダルトチルドレンを克服するには、中核信念を変えるぐらいでなければ完全な回復とは言えないと思います。
そして、中核信念を変えるためには、まず自分の中核信念を正確に知ることが大切です。
実は、中核信念は意識する事が無いので、多くの方が気付かずに自動思考をしています。
無意識的な部分を意識するというのは、何かきっかけがなければ難しいことです。
この概念に気が付き、自分と向き合うことが出来れば、アダルトチルドレンの克服も可能だと考えます。

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